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独の消費者物価指数が上振れ、ユーロ圏の金利上昇、ロンドン仲値のドル売りもありEURUSDが上伸

昨日の為替市場は、英米の市場が休場となるなか、東京時間よりかなり調整色の強い展開が続き、先週までの市場の流れを象徴していたクロス円にやや売り圧力がかかりました。

この先の為替市場の行方を占うという点で、今週以降相次ぐ欧米での物価関連指標の発表ですが…。

欧州時間に入り発表となった5月のドイツのHICP(欧州連合の水準の消費者物価指数)は前年比で+2.5%(予想、+2.0%)と上振れ、経済活動、消費の再開が加速してきました。

ドイツでは、昨年末まで、コロナ対策からのVAT(付加価値税)の引き下げの影響から、HICPのマイナスが続いていたのですが、ここにきてこの反動を除いても物価が上昇しはじめています。

ドイツの国内基準では、+2.4%ですが、2018年10月以来の高水準を記録、この2018年はECBの利上げ観測が台頭した年でもありました。

この発表を受け、ブンデスバンク(独連邦銀行、中央銀行)は、年内にドイツのCPIが一時的に+4.0%まで上昇するリスクを指摘、これは1999年のユーロ導入以来初となる水準です。

ユーロ圏では、少子高齢化などから欧州の日本化が広く指摘され、物価は上昇しないという認識が根強く残っていましたが、コロナの反動としてもかなりサプライズとなりました。

ユーロ圏の金利上昇から、為替市場ではユーロが静かに上昇、月末ロンドン仲値のドル売りもあり、EURUSDが一段高、昨日高値1.2231を示現しています。

 

OECDが世界見通しを上方修正(日本は下方修正)、クロス円の上昇を正当化する内容

この動きのなかで、昨日はOECD(経済協力開発機構)が世界の成長見通しを発表、+5.8%と3月から+0.2%上方修正してきました。

このなかでは、米、ユーロ圏、中国を上方修正する一方で、ワクチン接種が進まず、経済・金融の正常化が程遠い日本を下方修正しています。

この内容だけみても、このところ進むクロス円の買い、つまり通貨の優劣を反映した内容となっています。

経済の規模、正常化の度合いで計れば、序列は米>欧州>日本となります。

ただ、この先の経済再開、金融の正常化の速度、つまりここからの変化の大きさ(これが重要)という点では、英>欧州>米=日本、こんな構図でしょうか。

この先にテーパリング(量的緩和の縮小)の機運だけで上下に触れそうなドルのリスクを一旦排除、SmartLogicFX内では、クロス円だけの戦略を当面継続します。

 

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