日⇒米、欧⇒米と2件の買収案件の発表がありました。
為替市場で資金フローが発生する可能性があるものの、インパクトは小さいと想定します。
EURUSDは高値から213ポイントの調整、一旦調整局面入りの可能性もあります。
アジア時間の高値106.43から反落、欧州時間に安値105.59まで売られていたUSDJPYですが、米金利の上昇もあり、その後は米国時間にかけて昨日高値106.47を示現しています。
「独シーメンスの医療機器大手の子会社シーメンス・ヘルシニアーズは、米バリアン・メディカル・システムズを164億ドルで買収」と発表されています。
ユーロ売り、米ドル買いの資金フローが発生する思惑から、欧州時間に戻り高値1.1785をつけていたEURUSDですが、米国時間にかけて昨日安値1.1696を示現しています。
「セブン&アイ・ホールディングスは、米石油精製会社マラソン・ペトロリアムのコンビニエンスストア部門スピードウェイを210億ドル(=2.3兆円)で買収」と伝えられています。
発生する可能性がある資金フローは、「円売り・米ドル買い」の可能性がありますが、この2.3兆円の為替市場へのインパクトを再度考えます。
2011年8月4日、日銀が約4.5兆円の円売り・米ドル買いの市場介入を実施、介入開始の水準が77円台半ば、当日の高値が80.25でしたので、押し上げ効果は3円弱です。
為替市場は想像を絶するほど大きく、ひょっとやそっとの資金フローでは動かず、2.3兆円の効果は精々1円程度でしょう。
買収に際しブリッジ・ローン(いわばつなぎ融資)を使った場合は、為替市場での資金フローは発生しませんので、買収案件での為替の変動は思惑に過ぎないと考えるべきでしょう。
上述のシーメンス・ヘルシニアーズなどはその好例です。