中国、米国産農産品輸入停止報道から、一旦リスクオフへ。
米国のデモ拡大は金融市場では材料視されず。
英国のマイナス金利採用の可能性は、経常赤字国であり、導入はハードル高いとの見方もあります。
昨日は、欧州時間に入り、中国政府当局者の話として「中国は主要国有企業に対し、米国産の大豆と豚肉の購入の停止を指示」と報じられました。
ポジション調整の動きから、USDJPYやクロス円が高値圏より反落、前者で昨日安値107.38、AUDJPYではこの時間の安値72.18までの下落となりました。
金融市場は、「米国での白人警察官の黒人暴行死事件の抗議デモ拡大」を材料視せず、米5月ISM製造業景気指数の改善にみられる経済活動の再開を好感しています。
今週末に控える複数のイベントや、米中関係の続報を待ちたいと考える市場関係者も多く、米株や金利は小動きでの推移が継続しました。
為替市場では、クロス円が買われ、AUDJPYで昨日高値73.19、NZDJPYで同69.00、CADJPYでも同79.33までの上伸となっています。
ここまで、中銀関係者からマイナス金利の採用の可能性が指摘されているBOE(イングランド銀行)ですが、昨日、事情通の複数の市場関係者と話しました。
話を総合しますと…。
「ここまで、主要国でマイナス金利が採用された国(地域)は、スイス、欧州、日本、スウェーデン、共通するのは経常黒字国(圏)」という点でした。
「マイナス金利を採用しても、恒常的な資金流失にならないから」で、「英国が経常赤字国であることを踏まえると、マイナス金利の採用はハードルが高い」と指摘する方がいました。
ただ、「政策金利は史上最低の0.10%と政策変更の余地は乏しく、(仮に今月、マイナス金利が採用されなくても)この先もくすぶり続けることに変わらない」という結論でした。
昨日、GBPUSDは1.25台を回復する場面もありましたが、金利の上昇が限られるとなると、戻りも限定的かもしれません。