人民元の基準値が12年ぶりの安値に設定、再度為替操作国のリスクから、オセアニア通貨にはややネガティブな要因となっています。
北欧が欧州の新基金設立反対を表明し、修正案が出る可能性は大きいでしょう。
米国市場、メモリアルデーの休場で基本小動きと片づけたいところですが、細かいところでは動きがあります。
今週の展望のなかで指摘しました中国の人民元の動き、PBOC(中国人民銀行=中央銀行)は、昨日、人民元の基準値(注)を12年ぶりの安値に設定、事実上、元安容認としています。
(注)日本時間の10:15に発表、当局の意向を強く反映しています。
香港への関与を強める中国をけん制する米国に対し、人民元安のカードを切ったことになりますが、1月に解除となった為替操作国の再認定のリスクが浮上します。
昨日、香港のハンセン指数は1%程度下げる局面はありましたが、引けでは前週末比でプラス圏に浮上、ただ、投資資金の流失懸念は依然としてあります。
先週、独仏が提案した欧州経済再建のための基金ですが、早速「オランダ、オーストリア、デンマーク、スウェーデン」が共同文書で反対を表明しています。
事実上の南欧救済となることから、債務の共同化を反対したことになり、EURUSDがやや売られる局面がありましたが、市場参加者も限られ反応は限定的でした。
いち早く経済を再開させたドイツ、5月のIfo企業景況感指数が79.5と底入れ、この回復は通貨ユーロにはポジティブな要因でしょう。
今年の年末までとされる英国とEUのFTA(自由貿易協定)の交渉期限、ここまで3回の会合は物別れ、交渉延長の是非の判断は6月末ですが、英国が折れる可能性は低いとみます。
次回6/18の会合で、マイナス金利の採用が有力視されるBOE(イングランド銀行)、こうした観測も英ポンドには重しとなりそうです。