買い手がコストを払い現物の受け取りを回避した結果、原油先物市場で期近が一時-40.32ドルまで下落という珍事が起こっています。
場合によっては、大きなリスクオフに発展する可能性もあります。
原油先物市場では、期近の5月限が最終売買日を本日4/21に控えるなか、1983年の上場以来、初のマイナス圏に突入、引けでは-37.63ドルと異常事態が発生しました。
このまま期日(満期)をむかえた場合、買い手は原油の現物に加えて、現金の受け取りまでもが可能となります。
反対売買しない買い手は、原油を引き取らなければならず、マイナスになっても売る必要があり、つまり処分費用まで払い、現物の受け取りを回避したということです。
原油需要の後退はここまで本欄では何度も議論してきましたが、需要の減退で貯蔵施設がいっぱいで、原油の引き取り手が完全になくなってしまったということです。
期先の6月限はかろうじて20ドル付近、この先の1か月で需給が改善、「貯蔵施設が空く」という前提ですが、場合によっては『同じ事が発生する可能性』があります。
こうしたマイナスの取引に、多くのCFDを提供する先物取引の会社は対応ができていないようで、大変な混乱を引き起こしているようです。
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