米景気減速を裏付ける指標からの米金利の低下。
ドル安に拍車をかけたのは政権中枢、そして新債券王の発言でした。
今週FRBは利上げを実施するでしょうが、いわゆるDovish Hike。
「利上げをしても、非常に弱い見通し」を出してくるでしょう。
ドル売りは継続。
広く指摘され始めた米景気減速ですが、昨日は12月のNY連銀製造業景気指数が大幅悪化、2016年の英国民投票以来の悪化幅を記録、背景にあるのは「米中貿易戦争とドル高」です。
その後に発表された12月NAHB住宅市場指数は56。
この数値は2015年5月以来の低水準、ここまでの利上げの影響で住宅ローン金利が上昇し、購買意欲を押し下げています。
こうした報道のなかで、ナバロ国家経済会議委員長が「市場の変動率(ボラティリティ)の上昇はFRBの利上げの影響だ、今週の利上げは必要ない」と露骨に批判。
新債券王の名をもつダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏もCNBCとのインタビューで「株式市場は弱気相場入り、今週の利上げはすべきでない」としています。
政権の中枢にいる要人ではなく、株式市場と一定の距離を置く債券運用のカリスマの目にもFRBの今年4回目の利上げは行き過ぎに映るようです。
こうした非常にストレスのかかるなかでも、FRBはこの利上げ局面で9回目の利上げを実施するのでしょうが…。
仮に、利上げを実施して株価のさらなる下落を招いた場合、米政権の思うつぼで、広く批判を受ける可能性があります。
では、どうかわすかですが、恐らく経済見通しを引き下げ、同時に今後予想する金利水準を大きく引き下げることで、「利上げの打ち止め」を『強く示唆する』しかありません。
昨日の米金利の低下、ドル安はこうした動きを先取りするもので、USDJPYでは115が徐々に遠くなるという見方に変化はありません。
■トレードポイント
●USDJPY☆☆☆
ショート
●EURUSD☆☆☆
ロング
※現在の全体のポジションサイズ★★★~★★★★
※為替市場での変動幅は、強くオプション市場の変動率の制約を受けます。
つまり、1日、1週間での変動幅には限度があり、これを活用することでエントリーはもとより、利食いのレベルを設定することが可能です。
SmartLogicFXでは為替の値動きを追う際に、フィーリングではなく、「理由付け」を大切にしています。