端的に、イタリアの置かれている現状は金利水準から判断すれば、引き締めが進行している状態です。
経済が好転するはずはなく、欧州全体の足かせ、ユーロ売り要因でしょう。
現在ECB(欧州中央銀行)は量的緩和を継続。
金利の低め誘導を継続していますが、今イタリアに何が起こっているか少し考えてみます。
5月以降のイタリア国債市場の混乱で、資金流失からイタリア国債が売られ金利(流通利回り)が上昇している程度はすでに申し上げていますね。
ここで眼を2年債に向け、その変動を追ってみます。
年初-0.187%であったイタリアの金利ですが、現在は1.273%へと急上昇しています。
欧州の経済の優等生ドイツでは同様に-0.609%が-0.635%へと低下しています。
ECBの緩和が、欧州のなかでも特に景気の良いドイツでは効きすぎており、イタリアには全く効いていません。
むしろ、イタリアが現在置かれている状況は、『複数回の利上げが実施された後の引き締めがかなり行き渡った状況』となります。
これでは経済が好転するどころか、国家全体で金利の負担にあえぐ状態ですので、ユーロ全体(無論、通貨であるユーロも)でみても、景気絶好調の米国に勝てるはずもありません。
単刀直入に、不等号で米国>欧州の構図は当面揺るがず、通貨間の優劣は明々白々でしょう。
■トレードポイント
●EURUSD☆☆☆☆
ショート
●USDJPY☆☆☆
ロング
※☆の数は確信度を表しています。