【単刀直入にUSDJPYの下げ渋りの背景、対外直接投資の増加が背景でしょう】
ドイツのメルケル首相は州議会選挙の責任を取り、12月の党首選に出馬せず、2021年まで首相を務めた後の政界引退を表明してきました。
大手格付け会社S&Pグローバルがイタリアの格付けを”BBB”に据え置き。
見通しは「ネガティブ」ですが、以上を背景に昨日はユーロが買い戻される局面もありました。
今月、日経平均株価は月初から12%を超える下落を演じていますが、一旦「27年ぶりの高値」をつけた後の(歴史的)大反落で、このまま月を終えますと前月の安値を下回ります。
高値圏で新高値形成後反落。
ひとつ前の安値を下回り引けるパターンは、本欄でよく登場する『キーリバーサル』(酒田五法では抱き線、包み線)の出現で、更なる下落を示唆する形状です。
こうしたリスクオフの局面にありながら、USDJPYが下げ渋っていますが、背景は何でしょうか?
市場関係者にも色々聞いてみました。
やはり断続的に出ている「対外直接投資」の資金フローではないか?という結論になりました。
こちらですが、年初1月より月間平均で1兆円を超え、8月までの累計で11.3兆円を記録しています(財務省統計)。
11.3兆円に余りピンとこないでしょうから、具体例をあげますと、政府・日銀の為替介入では直近で最終局面の2011年8月4日の円売りドル買い介入の額が約4.5兆円でした。
この日、介入開始時点は77円台半ば、高値は80.25ですから、4.5兆円の介入をもってUSDJPYを3円程度押し上げたことになります。
上述の「対外直接投資」は、M&A(企業の合併買収)等からの外貨買い、円売りですから、買い切り(近い将来に外貨売りとなって市場に出ない)です。
こうした「外貨買い」が毎月継続していることを考慮すると、リスクオフの局面でもUSDJPYが下がりづらくなっている構図が判明してきます。
■トレードポイント
●EURUSD☆☆☆
ショート
●EURJPY☆☆☆
ショート
※金曜の雇用統計、来週火曜に米中間選挙を控え、この先、徐々にリスク量を落とす方針です。