為替市場では、目立った材料・経済指標等の発表のないなか、米金利変動主導の値動きがありました。
米金利の上昇余地は小さく、米ドルの戻りは限定的と読みます。
昨日の東京時間は、先週の米国の雇用統計の結果がやや強めにでたことで、この先の緩和期待が後退、アジア株が全面安となるなか、上海株は引けでは-2.58%安で引けています。
日経平均先物9月限もザラバでは21460円まで下値を拡大、為替市場では円買い優勢の展開のなか、USDJPYは午後に入り昨日安値108.28を示現しています。
欧米時間に入り発表となったドイツの5月の鉱工業生産は前月比では+0.30%と市場予想通り、ただ前年比では-3.7%を記録するネガティブ・サプライズとなりました。
為替市場ではややユーロ売り優勢の展開のなか、EURUSDで一旦1.1220の安値をつける場面がありました。
週末に1.8万人の行員削減を発表したドイツ銀行は、寄付きから買い先行で取引を開始(引けでは-6.1%)。
一時的なセンチメントの改善からユーロは買い戻され、EURUSDで1.1234の昨日高値を示現しています。
ただこうした動きは続かず、アジア時間に下げ幅を拡大していたダウ先物が反発に転じ、米金利が上昇となりました。
為替市場では、米国時間にかけて米ドルを買い戻す動きが継続、USDJPYで昨日高値108.81、EURUSDでは同安値1.1207を示現しています。
こうした一連の動きのなかで、このところのさえない欧州の経済指標の結果を受け、ECBのクーレ専務理事より「量的緩和の再開」に向けた発言があったこともこの動きを後押ししています。
一日を通じてみますと、主要通貨に対し米ドル買いが進行したことになりますが、最弱通貨はCHFで前週末比では下落幅は-0.27%にとどまり、小動きの日を終えています。
本日は、21:45よりボストン連銀主催のカンファレンスのなかで、FRBパウエル議長の講演が予定されており一応マークしておきます。
■トレードポイント
昨日一日でみますと、米金利はやや上昇していますが、継続的な上昇に至るとはみていません。
米ドルの上昇局面ではさらに売り増したいところです。