昨日発表の米国のNAHB指数、NY連銀製造業景気指数は共に予想を下回り、再度景気の減速が確認されています。
米大手金融モルガン・スタンレーが米経済に対し衝撃的な見通しを公開しました。
政策金利のゼロパーセントへの下げや株価の下落を予想しています。
昨日の東京時間より、米国の10年債の金利はFOMC前の調整ということもあり、おおむね2.1%超えの水準で推移、USDJPYも108.52/72のレンジ内で小動きが継続していました。
欧米時間に入り、ECBフォーラムの開会でのドラギ総裁のスピーチは、欧米の投資家には注目度は高かったようですが、金融政策への言及はありませんでした。
今週はFOMCの注目度が高すぎます。
しかし、米国時間に入り昨日発表の6月NY連銀製造業景気指数は予想を大きく下回る-8.6へ悪化、2016年2月以来、3年4か月ぶりの水準へと落ち込んでいます。
その後に発表されたNAHB(全米建設業協会)住宅市場指数も予想を下回る64、昨年11月より8か月連続して前年の数値を下回っています。
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経済指標のなかでは、このどちらもソフトデータ、つまり「景気の先行指標」、米10年債も再度2.1%割れの水準へと低下、ただ市場の反応はFOMC前でもあり緩慢です。
米大手金融モルガン・スタンレーは顧客向けのレポートのなかで、米中の貿易戦争の結果、米経済が2020年にリセッション(景気後退)に陥るとしています。
この結果、FRBは2020年春までに政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利をゼロパーセント(現在、2.5%)近くに誘導されています。
また、米ドルは景気刺激策から当初は高値追い、その後は下落としています。
米株もS&P500で2400までの下落を予想(昨日の引け比、約17%安)、とかなり悲観的な見方を披露してきました。
戦後最長の景気拡大が続き、今月で120か月目、つまり丸10年が経過しようとしていますが、上述のように減速の芽が徐々に見え始めています。
中国国営の新華社通信は、6/28-29のG20大阪サミットの前に「習国家主席が6/20-21の日程で北朝鮮を公式訪問」と伝えています。
米国をけん制する狙いが透けます。