昨晩、セントルイス連銀のブラード総裁が利下げに言及しています。

こちらの総裁は金融政策に関しては「中立」ですが、FRB内では投票権も有することから、市場インパクトが大きくなりました。

本日RBAの利下げがほぼ完全に織り込まれ、利下げ発表で豪ドルの下落を見込みにくくなってきました。

昨日の東京時間午前に、一部報道で「米政府、豪州への関税を検討したものの、見送りを正式決定」と報じられ、その後のAUDUSDは米金利の低下もあり、終日堅調推移となっています。

欧米時間に入り、発表が注目された米国5月ISM製造業景気指数は4月の52.8よりさらに悪化する52.1でした。

市場予想の53.0も下回り、昨年8月の61.3より大きくピークアウトする結果となっています。

セントルイス連銀のブラード総裁が講演し、このなかで「2%の物価目標は世界標準、インフレ低迷や貿易戦争激化では利下げが適切」と発言しています。

ブラード総裁は金融政策に関してはどちらかといえば「中立」、さらにFRB内では2019年に政策判断に対し「投票権を有し」ています。

こうした背景から、以降は米金利が長短にわたり急低下、政策金利のすう勢を反映する2年債の金利では1.840%まで低下、ほぼ2017年12月以来の水準です。

ちなみにこの時、米国の政策金利が1.5%であったことを踏まえますと、現行の2.5%の政策金利から4回分(0.25%X4)の金利の引き下げを想定してしまったことになります。

米独の2年債の金利差でみても昨年11月8日には「約30年振りの水準である」3.590%まで拡大していました。

しかし、現在では2.485%、EURUSDがやや底入れにみえるのも致し方ありません。

一日を通じてみても、米ドル全面安、ここまで下落を鮮明としてきたAUD(+0.64%)NZD(+0.94%)などがセレクティブに買い戻されて、終えています。

本日はRBAが13:30に政策金利を発表予定です。

1.50%から1.25%への25bp(0.25%)の利下げがほぼ完全に織り込まれています。

ここで参考となるのが、2016年8月11日のRBNZ(NZ準備銀)の2.25%から2.00%への利下げです。

この日はほぼ完全に利下げが織り込まれており、直後の反応はNZDUSDで0.7200から0.7350への急騰でした。

本日のRBAの場合、利下げの打ち止めを示唆するわけでもなく、年内さらに利下げが予想され、上述のNZDUSDのような展開を想定するのはやや無理があります。

ただ、発表後の豪ドルの上昇や急騰には注意したいところです。

繰り返しますが、本日FRBパウエル議長が22:55にシカゴで講演予定です。

ここまで議長の口から「利下げ」という文言が出たことはなく、姿勢の変化には注目でしょう。