米対中投資制限、トランプ政権の政策の副作用、AUDUSDの行方、トレードポイント
【米発表の中国からの投資制限の報道ですが、政権内での意見集約が無いのでしょう、一貫性がありません。トランプ政権のここまでの政策のほころびが露呈してきました。AUDUSDと豪米の政策金利の推移をみますとこのからの方向性が明確にみえてきます】
6/30に予定されていました「中国の対米投資制限」の詳細内容発表の期限ですが、それを待たず昨日朝に「トランプ大統領、中国企業が米国内のハイテク企業への投資を禁じる計画」(WSJ)と発表し、一旦昨日はUSDJPYはクロス円の下げが加速しました。
その後、ムニューシン財務長官より「投資制限は中国だけでなく、全世界に拡大」、ナバロ通商製造政策局長からは「(そもそも)投資制限自体を計画していない」と政権内の足並みがそろっていません。
さらにここまでの報復関税の応酬で、EUから追加関税で狙い撃ちされたハーレー・ダビッドソンは関税回避のため生産拠点の『欧州移管』を発表、「米国第一主義で雇用を取り戻す」どころか『雇用を流失させる』滑稽な結果が出てきています。
カナダ産木材の追加関税で米国内の木材価格が40%上昇、住宅価格が6%上昇、好景気のなかでの減税で利上げ加速、住宅ローン金利がリーマンショック前の水準まで上昇(日経電子版)と、減税で企業が恩恵を被る反面で一般消費者にそのしわ寄せが及び、GDPの70%を占める個人消費はどうなるのでしょうか。
こうした混乱は徐々に顕在化してくるのでしょう。
さて本欄でも時々取り上げています高金利通貨のオセアニア通貨ですが、米国で繰り返される利上げでそのステータスは過去のものになりつつあります。
AUDUSDでみますと、2010年に4.5%あった金利差(豪州-米国)は逆転し現在では-0.5%となり、豪州では2017年以降はほぼ貿易黒字が定着していますので、資金流失にはつながりませんが、金利面の優位性はほぼありません。
この先、豪州ではまだ利上げが見込まれていませんから、さらに金利差は拡大することになり、優位性は静かにUSDに移行していきます。
このAUDUSDと政策金利差のチャートをみる限り、AUDは買いなのか?売りなのか?を判断する必要もないと考えられます。
■トレードポイント
ポジションは、AUDJPY、AUDUSD、EURJPY全てショートです。
デイトレではTwinCloud5分を使いAUDUSD、NZDUSDで売り回転が良いかと思います。
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有料メルマガ+掲示板SmartLogicFXの記事を抜粋。
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