【米中の貿易摩擦ですが徐々に経済の圧迫要因として株価に影響が出てきました。関税の応酬は米中2大覇権国の勢力争いですから、解決には長期化を要し、場合によっては泥沼化のリスクもあり楽観視は危険でしょう。1930年代の世界恐慌は関税の応酬の結果という過去が存在します】
昨日は米国のダウはザラ場で一時264ドル安付近まで下げ幅を拡大、その後は大きく戻して引けていますが、結局5日続落で25000の大台を維持できませんでした。
中国の上海株ですが、1月の年初来の高値より昨日の引けまでで-15.1%と大幅な下落を演じていますから、米株の比ではありません。
為替市場ではそれほど反応していませんが、一因として米中の貿易摩擦が理由でしょう。
表向きトランプ政権は対中貿易赤字の削減に意欲を示しますが、その根底にあるのは世界の2大大国の覇権争いであることに疑いの余地はありません。
中国は2015年に「中国製造2025」というプロジェクトを決定、ITやロボットなど最先端分野で世界トップレベルの国家構築にまい進するとしてきました。
仮にこの「中国製造2025」が成功裏に終わった場合、こうした先進分野は広く軍事転用出来るわけですから、一方の覇権国としてはあらゆる手段を駆使してそうした可能性の芽を事前に摘み取る策に出ても不思議ではありません。
貿易問題は解決に相当の時間がかかるのでしょうが、ここまで両国が発表した制裁品目を詳細に検証すると、「(中国からの制裁品目の大豆があり)米国側の打撃の方が大きい」とするレポートが多いようです。
そもそも報復関税の応酬は、輸入品の価格高騰を招きますから、購買力が同一であれば「購買数量」は当然減り貿易額も減るわけですから、一国のGDPが確実に低下します。
1929年の株価大暴落からの世界恐慌の引き金が世紀の悪法、スムート・ホーリー関税法による貿易制限であった過去を踏まえますと、余り楽観視ばかりするのもリスクと考えておきたいところです。
■トレードポイント
EURUSDですがTwinCloud30分でみますと、すでに売り圏内にありますが、余裕をみて68%上限を目途に、1.1670、1.1730で売り、95%上限の1.1850をストップとします。
デイトレですが、短期線、長期線が頻繁に交差しトレンドレスの様相ですから、一旦見送りでも良いかもしれません。
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