【ECB(欧州中央銀行)から先月の各国国債の買い入れ額が発表され、このなかでイタリア国債の減額が判明、市場混乱渦時の物議を醸しだす結果になっています。イタリア10年国債金利の対独スプレッド(金利差)とEURJPYには相関あり、理論値等を算出してみました】
市場コンセンサスで、今年の12月で終了とみられていますECB(欧州中央銀行)の量的緩和である資産購入プログラム(以下、APP)の終了ですが、5月の買い入れ額が発表され、ちょっとした異変を英フィナンシャル・タイムズ誌が伝えています。
ご存知の通り、5月の最終週はイタリア発の政治・債券市場の混乱が為替市場を直撃したわけですが、ドイツ国債の買い入れ額が急増するなかで、イタリア国債の買い入れ額は反対に急減しており物議を醸しだしています。
ここまでのAPPでのドイツ国債の買い入れシェアは26.6%、同様にイタリア国債は18.9%でした。5月単月では、順に31.6%、16.6%と対照的です。
この結果に対し、イタリア国内で連立を組む「5つ星運動」の議員よりECBのこの買入れの結果に対し、疑問を呈するツイートなども散見されます。
ECBドラギ総裁がイタリア出身であることも、市場の疑心暗鬼を創造する一つの要因ともなっています。
さて、イタリア10年国債の対ドイツ国債のスプレッド(金利差)とEURJPYの相関は本欄でもよく登場しますが、相関図を掲示板に添付していますのでご確認下さいませ。
これによれば、昨日の引けである金利差218bp(2.18%)と整合的なEURJPYのレベルは128.34ということになり、ほぼ整合的です。
ここにきて金利差の縮小が顕著ですが、縮小の目途とすればキレの良い数字である200bp(2%)ですが、こちらとの整合値も128.83と算出出来ます。
因みに120円に到達する際の金利差は逆に526bp(5.26%)となりますが、これは欧州債務危機時と同水準ですが、混乱再発時にはあっさり120円水準は貫通してくるとみています。
■トレードポイント
EURJPYのショートを継続していますが、買い戻しやストップ等はSmartLogicFXへ。
デイトレは、TwinCloud5分を使い、デッドクロスを待ってEURJPYを売り回転が良いかと思います。