ワクチンをめぐる報道から米株は序盤は軟調推移、午後に入り下げ幅を埋めて引け

昨日は、米国時間に入り、CDC(疾病対策センター)とFDA(食品医薬品局)がJ&J(ジョンソン・エンド・ジョンソン)のワクチンの接種後の血栓を理由に、接種の中断を呼びかけました。

ややネガティブなニュースで、米株が朝から下げ幅を拡大、CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回ったにもかかわらず、金利は上昇後の上げ幅を全て失い低下幅を拡大しました。

為替市場では、主要通貨に対してドルが売られ、USDJPYで昨日安値109.02、EURUSDでは同高値1.1956を示現しています。

米国時間の午後に入り実施された240億ドルの30年債の入札は、応札倍率で2.446倍と前月の2.284倍から改善、6か月平均の2.332倍を上回り、好調な結果で終えています。

既発の流通国債にも買いが入り、金利は低下、為替市場でのドル売りが続きました。

ファイザーのCEOが会見、「5月末までに2.2億回分のワクチンの提供を示唆、さらに全体で3億回分の供給も予定より3週間早く納品可能」と発表しています。

この発表を受け、米株は下げ幅を縮小、ナスダックは前日比ではプラス圏に浮上して引けています。

30年国債の入札が好調な結果で終わり金利低下、ドルも売られて引け

米10年債金利は、3月末のピークから約25bp(0.25%)低下してきたわけで、足元のドル相場を金利見合いという観点で測れば、ドルの調整は極めて健全といえます。

3月末の米金利の上昇が、期末を控えたグローバルの機関投資家の米国債の処分と考えれば、米金利は3月末に一旦ピークを打った可能はあります。

ただ、それはあくまで短期的な見方で、米経済の継続した回復が視野に入っている今、米金利のここからの低下余地は極めて乏しいとみえてきます。

広く一旦、USDJPYが108-111円、EURUSDでは1.17-1.20のレンジに入ったと考えるのがメインシナリオとなります。

 

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