先週の動き

先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、上昇通貨は上位よりCHF(+1.94%)、EUR(+1.20%)、JPY(+0.94%)、CAD(+0.33%)と続き、下落通貨はGBP(-0.93%)のみとなりました。

上昇上位3通貨に共通するのは、中銀がマイナス金利を採用しており、先々週までのドル買いの資金調達(ファンディング)通貨となってきた点です。

さらに、経常黒字国(圏)ですから、こうしたドル高一巡の後は、自然と自国通貨買いが湧きやすいという側面があります。

金曜に発表された、米国の3月のPPI(生産者物価指数)が上振れしたにもかかわらず、米金利の上昇は一時的で、ドルの戻りも限定的となりました。

先週予想した値幅と実際の値幅

USDJPY
予想した値幅、172pts
実際の値幅、175pts

EURUSD
予想した値幅、166pts
実際の値幅、189pts

EURJPY
予想した値幅、190pts
実際の値幅、110pts

⇒EURJPYの値幅がでていませんが、市場の焦点が「ドル」であったためでしょう。

USDJPY、EURUSDに関しては、出てきた値幅は事前予想とほぼ整合的でした。

今週予想する値幅、68%/95%の上限/下限

USDJPY
予想する値幅、180pts
68%上限/下限、108.76/110.56
95%上限/下限、107.86/111.46

EURUSD
予想する値幅、178pts
68%上限/下限、1.1811/1.1989
95%上限/下限、1.1722/1.2078

EURJPY
予想する値幅、200pts
68%上限/下限、129.50/131.50
95%上限/下限、128.50/132.50

値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓

今週の展望

この先、Q2(4-6月期)の米経済指標の前年比での上振れは、予想出来ますが、先週金曜の3月のPPIが、すでに上昇傾向を強めているとはやや意外でした。

そうした点では、今週は4/13、21:30に発表される米3月のCPI(消費者物価指数)の結果が注目でしょう。事前予想では、前年比で+2.5%となり、先週金曜のPPIが上振れたために少しハードルが上がっています。

この後、4/14、25:00よりFRBパウエル議長がワシントン経済クラブでの講演が予定されていますが、上振れしても「一時的」とのレトリックを繰り返すのでしょう。

4/14、11:00、RBNZ(NZ準備銀)が金融政策を発表予定、政策変更は見込まれていません。ただ、NZでは不動産価格が高騰、「NZ政府は、金融政策の決定の際に住宅価格への影響を考慮」する要請を出し、RBNZは5月会合で対応策を発表としています。今回の会合では、なんらかの地ならしがあるかもしれませんので、要注目でしょう。

4/15、20:00、TCMB(トルコ中銀)が金融政策を発表予定、市場予想では政策金利の19.0%の据え置きが予想されています。

3/20、トルコのエルドアン大統領が突然中銀総裁を更迭して、中銀の独立性の懸念からトルコリラが急落、3/22の早朝、市場は混乱に陥りました。そのトルコリラですが、余震は続いており、その日のギャップを未だ埋めていません。

TCMB(トルコ中銀)の新任のカブジュオール総裁が、大統領の意向に沿い、利下げに転じれば再び市場はトルコリラ安、おそらくクロス円も売られるはずです。

主要イベントだけでなく、こうした新興国の動きにも今週は目配りしたいとことです。

 

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