先週の動き

先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、上昇はCAD(+0.62%)のみとなり、これは原油先物価格が、2018年10月以来の水準である66ドル台を回復してきたことが背景です。

一方で、下落通貨は上位から、CHF(-2.45%)、JPY(-1.73%)、EUR(-1.33%)と続き、共通するのは中銀がマイナス金利を採用しており、ドル買いの資金調達通貨となっています。

このなかでは、CHFが下落上位、背景等は本欄で何度も指摘していますが、マイナス金利を嫌気した資金、特に世界の富裕層の資金が流失しているのでしょう。

コロナ感染が比較的少なかったオセアニア通貨、ワクチン接種が主要国のなかでは一番進む英国は、下落率は概して低めとなっています。

ほぼ先々週からの流れを継続した展開で、おそらく、当面この流れが継続でしょう。

●先週予想した値幅と実際の値幅

USDJPY
予想した値幅、232pts
実際の値幅、227pts

EURUSD
予想した値幅、268pts
実際の値幅、220pts

EURJPY
予想した値幅、280pts
実際の値幅、145pts

⇒取引の焦点がドルとなるなか、クロスの値動きが概して乏しくなっています。

 

●今週予想する値幅、68%/95%の上限/下限

USDJPY
予想する値幅、206pts
68%上限/下限、107.37/109.43
95%上限/下限、106.34/110.46

EURUSD
予想する値幅、252pts
68%上限/下限、1.1785/1.2037
95%上限/下限、1.1659/1.2163

EURJPY
予想する値幅、260pts
68%上限/下限、127.80/130.40
95%上限/下限、126.50/131.70

 

今週の展望

今週は、ここまでのドル高のトレンドの継続性を占うという点で、以下のイベントに注目しています。

3/10 22:30
米2月のCPI(消費者物価指数)の発表
前年比では+1.7%予想ですが、この先Q2(4-6月期)に向け、急上昇となってくるはずです。

3/11 21:45
ECBが政策金利を発表
ユーロ圏でも長期金利が上昇しており、複数のECB理事会メンバーから、金利上昇への警戒感を強める発言が相次いでいます。

2/22にECBラガルド総裁が「国債利回りの動向を注視している」と発言していますが、これは2/25に米国で7年債の入札が不調に終わり、金利上昇が加速する前のことです。

つまり、その時点から警戒を緩めていなかったということです。

では、ユーロ圏の金利の上昇を抑制するには?まずPEPP(パンデミック緊急資産買入れプログラム)の枠のなかで、買入れ加速等を宣言すればよいわけです。

マイナス金利の深堀りは、順序ではこの次でしょう。

おそらく、ハト派政策、声明、記者会見となると思います。

これ以外に、今週は米国で3年債(3/9)、10年債(3/10)、30年債(3/11)の大きな入札を控えています。

上述のように、2/25には入札の不調から、長期金利には大幅上昇圧力がかかったことから、要注意といえます。

EURUSDは、年初来安値の1.19ミドル、さらに100日移動平均も割れ、一段安を示唆する格好となってきました。

戦略となりますが、TC30分を使い、EURUSDの戻り売り、USDJPYの押し目買いでしょうか。

0.90ミドルから継続しているUSDCHFのロングは、放置戦略でも良いかもしれません。

TC=TwinCloud、SmartLogicFXのなかで頻用するインディケーター

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