ECBドラギ総裁が欧州議会で証言し、追加緩和に前向きなメッセージを発信していますが、その可能性は限定的となりました。

米国の利下げの織り込みが解消しましたが、それでもUSDJPYの戻りは限定的との解釈です。

ECB(欧州中央銀)ドラギ総裁が欧州議会で証言、このなかで「ユーロ圏の成長力は大きく減衰した」「ECBはあらゆる(緩和に向けた)措置を講じる準備がある」と締めくくりましたが、市場反応は限定的となりました。

EUのバルニエ主席交渉官から、「アイルランド国境をめぐる英国の提案は受け入れない」「現時点で離脱協議が合意する根拠はない」と楽観論をけん制、やや英ポンドに整理売り、GBPUSDで昨日安値1.2413を示現しています。

欧州株安を受け、米株の現物株取引は寄付きから軟調推移が継続、米金利の低下もあり、主要通貨に対して米ドルが売られる展開が継続しました。

この動きのなかで、一部報道が「日米貿易交渉は自動車関税の議論の衝突で(協議の収拾に)遅れが出る可能性」と伝え、USDJPYが107.40割れ水準まで小緩む局面がありました。

本日は、ドイツで9月Ifo企業景況感指数が発表される(17:00)程度で目立った材料はなく、引き続き小動きが予想されます。

8/15、一時2019年末まで1.58回(9月FOMCで一回利下げしているので、この時点では2.58回)の米国の利下げを織り込んでいましたが、足元で0.80回まで解消しています。

この0.80回と整合的なUSDJPY水準は107.469(y=1.2143x+108.44)、つまり利下げの織り込みが全て解消してもその水準は108.44、上値も依然限定的でしょう。