【欧州では信用力の格差の拡大が鮮明となってきました。米ムニューシン財務長官が「強いドル」に言及。いずれもUSD買い要因ですが市場の反応はやや”セル・ザ・ファクト”に近く、モメンタムがやや弱まってきたかな?と判断しました】
本欄で頻繁に登場するイタリア10年国債対独スプレッドですが、昨日は1日だけで20bp(0.2%)以上もの拡大をみせています(欧州引けでのスプレッドは186bp!)。
通常、中央銀行の一回の利上げや利下げ幅の大きさが25bp(0.25%)であることを踏まえますと、一日での20bpの金利差拡大は尋常ではないことがうかがい知れます。
昨日のこのイタリア、ドイツの両国の金利変動をみてみますと、10年債でイタリアが上昇する一方で、ドイツでは低下しているわけですから、域内では低格付けを手放し、高格付けを買い増すという投資行動が起こっていたわけです。
ただ、こうしたなかでEURUSDはここまでの安値を更新する1.1716の後、反発をみせていますので、ややファンダメンタルズからかい離した動きといえます。
昨日、米国のムニューシン財務長官は「長期的に強いドルは良いこと」とし、米中協議の結果を「中国によるエネルギー購入額は年間400-500億ドルになる、こうした(前向きな)協議が継続する間は、追加関税は棚上げ」と発言しています。
この発言単体ではUSD買い要因ですが、この後もUSDが買い進まれることはなく、全般利食いのUSD売りが優勢の展開だったとわかります。
昨日一日でみた場合、AUDUSDが1%近い上昇をみせていることを考慮しますと、ここまで続いた市場のUSD買いのモメンタムがやや弱まってきたのかな?とも感じ取れます。
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有料メルマガ+掲示板SmartLogicFXの記事を抜粋。
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