はじめまして。竹内典弘です。

私は20年間にわたって、国内外の金融機関で為替/金利のトレーディングを歴任してきました。

このブログは不定期ではありますが、プロ視点の実践的な情報をお伝えしていきます。

【本日の記事】

一昨日から一転、好材料続出でリスクオフの調整へ

昨日の東京時間の午前に、中国の習近平国家主席は、博鰲(ボーアオ)アジアフォーラムで演説した。このなかで、(貿易摩擦に関して)「対話が問題解決の方法だ」としたうえで、(対米を意識し)「自動車の輸入関税を引き下げる」と明言した。

マイナス圏で推移していた日経平均株価はプラス圏へと浮上、USDJPYも買い戻す動きが活発化、一旦この時間の高値107.24の高値を示現した。

欧州時間に入り今度は、「米、中国の500億ドルの貿易赤字削減提案を拒否」(ブルームバーグ)と伝わった。107円台を維持していたUSDJPYが急反落、この時間の安値106.80まで下値を伸ばした。

ECB理事会のメンバーであるノボトニー・オーストリア中銀総裁がロンドンで講演した。このなかで、「ユーロ圏は強力な拡大局面にあり、最初の政策変更は預金ファシリティ金利の引き下げだ」と、早期の金融正常化を示唆した。

EURが買われ直後にEURUSDで昨日の高値1.2377を示現した。ただその後、この発言は「個人的な見解」(一部報道)とも修正されており、更にノボトニー氏はECBの役員会のメンバー(6名)でも無い、この発言には少し距離を置いた方が良さそうだ。

欧州株、米株3指数はそろって続伸、ダウは+1.79%、原油先物は大幅続伸65.51、金は3日続伸1346

一日では、主要通貨の騰落は対USDで上昇通貨ではその幅の大きい順にNZD(+0.82%)、AUD、CAD、SEK、GBP、DKK、EURと続き、一方で下落通貨でも同様にJPY(-0.40%)、NOK、CHFと続いた。

NZDJPYが+1.22%とアウトパフォーム、G7通貨の中で比較的政策金利の高い通貨群が買われ、JPYが売られるというリスクオフの調整局面となった。

昨晩には、ホワイトハウスから「トランプ大統領は、シリア情勢への対応で南米訪問をキャンセル」と伝えられている。

トランプ大統領は、既に24時間から48時間以内に重大な決断をすることに言及しており、直近の報道等でも、「米、英仏と共同歩調を確認」(日経電子版)と報じられている。

同時に『軍事行動も視野に』と付け加えられており。昨年4月の単独でのシリア攻撃と異なり、国際世論も味方につけたうえでの共同歩調をアピールするものとみられる。

初動はヘッドラインで報じられることから、十分に注意しておきたい。

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有料メルマガ+掲示板SmartLogicFXの記事を抜粋。

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